星座

「ドゥべー、メラク、フェクダ、メグレズ、アリオト、ミザール、アルコル、べネトナッシュ。」

これらは北斗七星を構成する星の名前だ。ここにあげたのは8つあるが、1つの星(アルコル)は光が弱すぎてとてつもなく目がよくない限り、僕たちの目では見ることはできない。一般に、アルコルを除いた7つの星で北斗七星と呼ぶことが多い。

僕は高校時代、天文部に所属していた。もともと剣道部に入っていたのだがいろいろあって辞めて、そのあと2年から天文部の一員になった。天文部は、そこにいる人がとてもあたたかくて、居心地がよかった。ただ、一つだけ心残りがあった。

それは星について考えたことが、天文部に所属している間に、ほとんどなかったことである。

最初にあげた北斗七星の知識は、僕が高校時代の天文部で得たただ一つの知識だ。

ちゃんと学んでこなかったことがずっと心に残っていて、最近星に対する興味が大きくなってきている。

夏の空を見上げると見えるのは、だれでも知っているであろう夏の大三角。(夏の大三角と聞くとNICO夏の大三角形を思い浮かべるのは僕だけだろうか)

はくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルから夏の大三角は成る。ベガとアルタイルの七夕伝説を知っている人も多いだろう。ベガが織姫でアルタイルが彦星。

この七夕伝説ではデネブは仲間外れだ。かわいそうに。3つとも1等星なのだから何とか七夕伝説に入れてやってもいいじゃないかなんて思ったりする。しかし七夕伝説に入れなくてよかったと思える事実がある。

地球から見て近く見える星でも、その星との距離はとてつもなく長い。地球とベガの距離は約25光年、地球とアルタイルの距離は約17光年だ。光の速さで20年前後かかるのだからとてつもなく遠い場所にあることがわかる。ではデネブはどうだろうか。

地球とデネブの距離は約1400光年。ベガやアルタイルとは桁が違うことがわかっていただけただろうか。偶然とはいえアルタイルとデネブ、もしくはベガとデネブを七夕伝説の主人公にしなくてつくづくよかったと思う。もしもこれらの組み合わせだと物理的に出会うのに時間がかかりすぎる。

またこの事実からわかることとして、1400年前にデネブを出発した光を僕たちは見ていることとなる。日本で1400年前となると思い浮かぶ歴史上の出来事は645年の大化の改新。(最近645年ではないという話を耳にしたが僕が習ったのは645年なので645年を押していく)

中大兄皇子蘇我入鹿と同じ年代の光を見ることができるのかと思うと、なんだか背筋が伸びる。不思議に思える。タイムスリップしたみたいだ。星を見ることで過去に親近感を覚えることができる。

 

また、星の楽しみ方は星を見上げることだけではないことに気づいた。それは神話だ。

空に浮かぶ星を結んでいくと、さまざまな星座を作ることができる。星座はギリシア神話に由来していることが多い。そうしたギリシア神話を読んでいるととても面白い。大体は都合が悪くなったら、もしくは物語が終わりに近づいたら何かを星座として空に浮かべる。それだけでも面白い。(僕は山羊座の話が好きだ。興味があったら調べるか僕に聞いてみてください。喜んで話します。)

みんながよく知っているオリオンの話。調子に乗ったオリオンが神々の怒りに触れて、神々に派遣されたサソリに刺されてその毒で死んでしまう話。このオリオンの話も実は他のものがある。僕はそっちの方が好きだ。

 

最近、やっと星に興味がわいてきた。専門の勉強もしなきゃダメだけど星についてもっと知りたい。